2011年11月24日木曜日

石版画での実習開始

最近、空がきれいですね。
冬の緊張感がなんとなく好きな二回生の池田です。

22日の実習は、ついに来ました!石版画!!

今までの版画の授業でも作品を通じて素材を意識することは多かったですが、石版はその存在感においても一線を画す迫力があります。
一個30~70kgあるそうです。
おっかない!!


みんなで協力し合いテーブルに並べ、あみだくじでそれぞれがどの石を使うかを決めます。



石版画の歴史はさかのぼる事1798年、ヨーロッパで活版印刷や凹版印刷が主流だった中、ドイツのアロイス・ゼネフェルダーが偶然をきっかけに発見した技法で現在の平版オフセット印刷のもとにあたります。

革新的なこの技法は、日本の印刷業界にも大きな影響を与えました。
江戸末期に日本に伝来したリトグラフは、明治以降の印刷技術の発展とともに、、それまでの日本独自の表現である「大和絵」や「錦絵」と共鳴し合いながら新しい価値観を生み出しました。

異文化同士の感性が繋がり合い新しいものができるって、ほんと素晴らしい。

今回の実習では、このような歴史の文脈も踏まえ、アルミ板よりも描画時の反応が謙虚に表れる石版により、素材をより意識できればいいなと思います。



石版は炭酸カルシウム(石灰石)からできており、酸に反応しやすい「淡黄石」や反応しにくい「青灰石」など種類もさまざま。
(日本の作家の中には、御影石などを使用する方もいるそうです。)

はじめの作業は版の表面をフラットに磨くところから始めます。
表面の微妙な凹凸をなくし、安定した刷り上がりになるための下準備です。

石版の上に水と金剛砂をしき、磨き盤と呼ばれる器具で8の字を書くように研磨していきます。
版も重いですが磨き盤も重いので、かなりの大変ですね。
その上完全なフラットになっているかは、経験と勘が頼りになります。




坂井先生が実演されながら説明して下さりましたが、毎回見事な作業に見とれてしまいます。
体で覚えれば版画はもっと楽しくなる。
この日、関連する作家資料などの説明もしていただき、みんなは食い入るように真剣でした。


こういう緊張感をもって作業に取り組めたら最高!!私も努力します。


版画コース2回生の池田

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