2014年9月29日月曜日

国際木版画会議に参加してきました!!!

こんにちは、木版4回生の川島です。
9月10日〜14日まで、東京藝術大学で行われていた国際木版画会議ボランティアスタッフとして参加してきました!

会期中は世界中から木版画の作家、研究者などが集まり、"MOKU HANGA"についてのカンファレンス、デモンストレーション、展覧会などがおこなわれました。
今回、私はボランティアスタッフとしてお手伝いをしつつ、木版画会議で行われている催しをレポートをしたいと思います。


・オープンポートフォリオ
「オープンポートフォリオ」とは、参加者が自分の作品をテーブルの上に広げ、定められた時間内で来場の美術関係者や見学する人に作品が発表され、交流できる場。
世界各国の作家による水性木版がずらりと並び、この分野の層の厚さに驚きました。
どのように摺るのか、紙や顔料は何を使い、どのように手に入れるのかも教えていただき勉強になりました。


The Content
また、"The Content"というグループプロジェクトの発表も行われていました。


雪をテーマとしたグループ展や、布と木版を組み合わせたインスタレーションや、AWAGAMI FACTORYによるブースでは、全国の和紙をもちいた摺り比べなどが展示されており、どのグループの発表もとても興味深い内容でした。



・木版ぞめき
木版画のこれまでと、これからのふたつのセクションに分かれた展示会。
江戸中期の庶民文化とともに木版は普及しました。
江戸文化に広がった本や暦、春画や役者絵、千社札やポチ袋の種類の豊富さに、いかに木版が庶民に身近なものであったのかを感じ、またその暮らしに思いを馳せずにはいられませんでした。
また"これからの木版画"では伝統的な木版画にとらわれない、多種多様な新しい木版画が展示されていました。
版画コース卒業生、おすしの宮本承司さんの作品も出展されていました!


・アダチ版画研究所によるデモンストレーション
また、同会場で行われてたアダチ版画研究所による伝統木版彫りと、摺りのデモンストレーションを見学しました。
作業中に木版画の歴史についての解説もされ、とても充実した時間でした。

木版画が一色から、丹、草、墨で作られた紅絵、多色になるまでの革命的な流れやそれに伴う見当の成り立ちなどを話していただき、すごく勉強になりました。
道具は身体のサイズにあってどれも大事に使いこまれて手入れされていて、机は彫りやすいよう、摺りやすいよう各工程ごとに傾斜があったのも印象的でした。
職人さんの動きは一切の無駄がなくかっこいい!

デモンストレーションの模様はこちらから↓

彫りでは線の2.3mm外側まで細かい部分を大きなノミでさらっていました。
板の性質を覚えこまなければできない技で、繊細さと大胆さが同居したとても緊張感のある作業風景でした。
摺りは数々の版を素早くするために、L字型に机を組み合わせていました。
一版一版するごとに、絵の具が紙の中に吸収されます。
余分な絵の具が紙の上に残らないため、ふたたび湿して摺るといったスピーディな作業をされていました。
何百枚も摺りをこなすため熟練された技術です!
ワークショップではどれぐらいの紙の湿し方をしているのか実際に触らせてもらえたり、質問にも丁寧に答えていただきました。
また参加者同士でデモンストレーションを見ながら教えあったり、情報交換ができたのもとても刺激となりました。


・サテライト
アーツ千代田3331ではサテライトプログラムが展開されていました。
東京芸大前からシャトルバスが出ていてとても便利!


内容はレジデンスでの報告や世界中の工房の出展
http://mokuhanga.jp/satellite/jp/cpr_jp/exhibition_jp/ 
紙や道具の展示即売会も行われていました。
沢山サンプルをいただいたので試し摺りをするのが楽しみです。



実習室だけでは木版にたいしての視野がどうしても狭くなっていたのですが、この会議で様々な角度から木版のことを見つめなおし、考える機会となり、木版のことがもっと好きになれました。
この経験を活かして制作に力を入れたいと思います!

最後になりましたが、国際木版画会議委員会事務局、スタッフの皆様おつかれさまでした!
今回、このような貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました!

版画コース4回生の川島

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