2016年7月29日金曜日

待ちに待った中林 忠良先生による特別講義!

四回生の菊地です。
今日は、年に二回の中林先生の特別授業です!

中林先生から版を作るための技法を上手に使う方法や、制作する上でのアドバイスをいただきました!

そして、毎年恒例の中林先生の版を刷らせて頂く体験。
今年は私が刷らせて頂く事になりました。
まずは先生が刷るところを見学。


インクは温度が低いと固まってしまうので、ウォーマーで暖めながら、版の溝にまで入るようにゴムベラでインクを詰めます。
インクはシャルボネ製の「55985」という黒いインクを使いました。


これから刷りです!
ハーネミューレそのままではなく、雁皮刷りというやり方で刷ります。
雁皮紙というのは薄い油取り紙とよく似た紙で、プレスすると少しの油分も綺麗に刷り取る事ができるのです!
雁皮刷りをまだ行った事のない2回生に雁皮の繊維の流れ等を解説して下さいました。


ハーネミューレへの貼り方が特徴的で、まず、水分で伸びる事を考えて版の大きさに切った雁皮紙を、水を張ったバットの上に浮かべます
その下から版で雁皮紙を掬い上げながら版上にのせ、水分を切ります。
そして、版に雁皮紙を乗せたまま、その上に刷毛で水で薄めた糊を塗ります。


それをハーネミューレといつも通りに刷れば、雁皮紙と一緒に綺麗に刷り取れます。


先生の手つきはとても手慣れていらっしゃって、見て覚えるのにも大変です。

いよいよ私が刷る番。
中林先生の版に触るだけでも緊張します!
先生のお手本のように刷ろうとしても、全然うまくいきません。
特に難しかったのはインクを拭き取る力加減
私は力が弱かったのか、手の動かし方が悪かったのかインクがなかなか拭き取れず、回数だけ重ねすぎた結果、黒の刷り上がりが薄くなってしまいました…
先生の作品と見比べると、黒の部分だけでなく、全体を通して画面のメリハリが少なく、イメージとして弱く感じました。


私が刷っている間、他の学生たちと中林先生で質問会が行われていました。
2回生の子達も率先して質問している姿がなんだか嬉しいですね!
後日、とても貴重な時間だったと皆話していました。

刷りは結局上手くはいきませんでしたが、貴重な体験をすることで自分の版の作り方について考える良い機会になりました。
私は、銅板は版を作る作業が、他の版種に比べて偶然性が高いと感じています。
それを十分に楽しんで効果的に生かすには、手慣れていないとダメだなぁと感じました!

これからは、インクの黒の美しさや、版そのものの美しさにも気を向けていきたいです。


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