2015年10月1日木曜日

矩形の質性Ⅱ-日下部 一司

矩形の質性Ⅱ-日下部 一司
2015年10月3日[土]〜10月31日[土]
水-土 12:00 -18:00
(休廊:日・月・火・祝日)

http://www.g-yamaguchi.com/index.html

http://kusakabe-kazushi.juno.bindsite.jp/index.html



「矩形」は美術界に溢れている。意識的であれ無意識であれ各々の作家が創作の枠内に取り込んでいる。「矩形の質性」というタイトルは矩形の内側と外側の関係によって作品の捉え方も違ってくるという観点からシリーズ化したギャラリ―の企画展として付けた副題です。第1回目はグループ展として開催いたしましたが、今回は矩形をある意味最も意識している作家の一人であるで日下部一司さんの個展で開催いたします。常にあらゆる角度の観点から挑戦的に作品制作に取組まれている氏の多彩な表現方法を、今回「矩形」という観点から捉えることによって、新しい日下部芸術の質性が浮かび上がる事を期待しております。

(ギャラリーヤマグチ クンストバウ)


 周りを見わたすと、窓・雑誌や新聞・映画・絵画・パソコンや携帯電話のモニターなど、さまざまな四角い世界が人為的に存在する。このような四角い形を矩形というが、矩形で対象をとらえると「余白」という概念が生まれることも面白い。余白とは矩形から生まれる副産物なのだ。だからたとえば広大な海と空だけの風景を肉眼で眺める時に「余白がいっぱいだ」とは言わない。
 四角い世界には四つの辺と角があって、これらが目の前の風景と交わり四角い世界が生まれる。これを絵画とか写真とか映像と呼ぶなら、おそらくこの四角い世界を積極的に意識して風景を見ることが対象をとらえる一つの姿勢となるだろう。
 かねてより写真作品の物質性について興味を持っている。通常、写真イメージは支持体の上に繰り広げられるが、支持体は質感や量感・重さを持ち、双方の絡みによって写真は眺められる仕掛けになっている。しかし、イメージを定着する支持体の物質感が前に出れば出るほど「余白」の概念が消えていく。そして単なる物質としての矩形となると、余白という概念は完全に消えてなくなってしまうのが不思議だ。余白はイメージ世界に属するものらしい。
(日下部 一司)



卒業生の日下部一司さんの展覧会情報です。
よろしくお願い致します。

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