二年生孔版実習の最後は「ハガキサイズで100枚刷り」です。
この課題はCMYK色分解による四色刷り体験を兼ねています。
ちなみに、CMYKは、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key plate(キープレート≒黒、墨)の頭文字をとって表したものです。
CMYKのKは、英語のBlackや日本語の黒(Kuro)の略ではありません。
正しくは、Key plate(キープレート)の頭文字「K」なのです。
(Kusa.)
■この偶然に心動く
徐行を促す看板に亀のイラストが描かれている。
18号館と20号館の間くらいに立っている。
よく見ると亀の顔の部分に目と口が見える。
誰かのいたずらだろう。
そう思って近寄ると、どうも偶然できた傷のようだ。
何か尖った硬いものが当たってこすれた感じだ。
ピンポイント過ぎて、その偶然に心が動く。(kusa.)
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「空気投げ」という柔道技があります。
別名「隅落とし(すみおとし)」といいます。
「真空投げ」とも言います。
非常に素早い巧みな動作によって相手を崩し、柔道衣を持った手以外には相手に触れずに投げる技、空気投げ。
相手に触れず投げ飛ばす・・・なんという すご技なんでしょう。
ここに一枚のピクトグラムがあります。
「トイレに赤ちゃんのためのおむつ交換コーナーがあります」・・・というマークです。
このおむつの部分が「空気投げ」です。
描かないで描いている。
輪郭線も描かないでおむつを表現している。
おむつに触れないで描く技・・・。
なんというすご技。
要するに「残す」のです。
描き足したり・消したり もしない。
単に、このおむつ部分を描き残すだけの技・・・「空気描き」とでもいおうか・・・。(kusa.)
[参考]
三船久蔵 十段 の編み出した 空気投げ(隅落とし) 映像 必見!!
「球は倒れたためしがない。絶対に倒れない。」と、師はおっしゃっています。
https://www.youtube.com/watch?v=k5YBijDmhNs
(柔道技を知るためのおまけ映像)
https://www.youtube.com/watch?v=2WQgxZQFJcc
■手を伸ばす
文字がない。
文字がないので、無言で注意が促される感じがする。
大声でしゃべってはいけない、というメッセージかもしれない。
文字って言葉なんだなあ。
場所は、男子用トイレ・・「泉」の上部に貼られていました。
マスクをして、ただ両手を真横に伸ばす男女。
コロナ以前だったら、もうこれは「現代美術」に分類される貼り紙ですね。
文字説明がない・・・という所がポイントです。
しかし、今はこれがなんの目的でここにあるのかがわかる。
この時期だからこそ、文字がない というのも気持ちがいいなと思った。アントニー・ゴームリーの彫刻を思い出す。
■ 痕跡
デニス・オッペンハイムの作品、[日焼けの第二段階のための読書姿勢]1970年の制作です。
屋外で読書をしていて、本を胸の上においたまま寝てしまった・・・というような設定で日焼けの跡が残ったのです。
ビフォー&アフターですね。
このような二枚の写真や、ものを二つ並置するこうした展示はおそらく1970年代に盛んに行われた方法ではないかと思います。
知らんけど。
まあ、過去にこういう作品を見たことがあると、18号館・凹版実習室の屋外におかれたプランターが、芸術のように見えてくるのでした。
芸術は痕跡だ!(kusa.)
※参照
↓
https://www.heatherjames.com/ja/artist-intro/?at=DENNISOPPENHEIM