二年生孔版実習の最後は「ハガキサイズで100枚刷り」です。
この課題はCMYK色分解による四色刷り体験を兼ねています。
ちなみに、CMYKは、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key plate(キープレート≒黒、墨)の頭文字をとって表したものです。
CMYKのKは、英語のBlackや日本語の黒(Kuro)の略ではありません。
正しくは、Key plate(キープレート)の頭文字「K」なのです。
(Kusa.)
イタリア未来派の画家 ジャコモ・バッラは、犬の足を何本も描いて「動き」の表現をしました。
動いているものを「静止画」で描くという冒険は、何人もの作家が試みて来たのです。
自然界でもこのように植物たちが長い時間をかけながら動きの表現を模索しています。
痕跡というものは、時間が視覚化されたものなのだ・・・と、思ったりもするのです。
(kusa.)
[写真の重力]
ツバメの季節だ。
見上げたら立派な巣があった。
写真に撮ってみると、コンクリート地面の上にあるように見える。
錯覚だ。
写真画面の下方に重力が働くという思い込みのせいだろうか。
[6月]
段ボールを広げて受け止めてあった。
井田照一とジャクソン・ポロックを思い出した。
失礼をお許しください・・・。
[道]
道路脇の構造物に近辺の地図が印刷されている。
その表面に亀裂が入って、異次元の道路がここに存在するかのように見えた。
支持体表面の硬化が原因だろう。
地図の上の亀裂はそのイメージを引きずって、単なる「ひび」ではなくなる。
ただの偶然が表現に似たものを醸し出すこともあるな・・・。
目を閉じて指で触ると、この異次元の道路しか感じることができない。
シャッターに取っ手がいくつもついていた。
必要と不必要がデザインされている。